秘密の夏

 
ノクタ−ンツア−。
昨日の熊谷は予約はしていたけれど、日付が変わったばかりの時間にとてつもない事実*1を知らされたのと、金欠と、その他諸事情で行くのを断念していた。せっかくディスチャ(ていう略はどうなのか(と言いながら毎回使ってる))が関東で2公演なのに…。
ロフトに寄ってお友達のぶんのチケを発券してから会場へ。初めて行くハコなので微妙に道に迷いつつ。
椅子があるとどうしてもドリンクをおかわりしてしまう…。シャンディガフ600円美味しかったけど、やっぱりマンゴービール500円@リキッドには敵わんね。
トップバッターはゲストのたかもりさん。シェルターで店員さんとしては数え切れないほどお見かけしているけれど、アーティストとして見るのは初めて。カホンのひとが居て2人編成での演奏。ふうっと照明が落ちて、アコギのジャンッという音とともに歌が始まる。うわあ…ものすごくあったかい声。やわらかくてほんわりしてて、ちょっとだけ夕方のにおい。かいほく君のソロとちょっと空気が近いかも…?と最初は思ったのだけど、だんだん進むにつれ、ああちょっとこんどうさんぽい感じもあるなあ…なんて。ほぼ1曲ごとにギターを替えていたので、MCは挟んでないのに、流れがいちいちぶった切られるのがちょっと惜しかったな。これでMCナシで5、6曲突っ走ってくれたら、惚れてたかもしれない(笑)。3曲目が「いろんなあいつ」で、最後が「みやこ」という曲だった(と思う)。こんな歌うまくてきれいな曲書けて黒髪でめがねじゃあ、そりゃモテるよねえ…(何)。正直、ここまでだとは思ってなかったから、かなり驚いてしまった。ここまで歌うまくて曲も良いとは…。すごいなあ…。こういう人がしれっとライヴハウスの店員とかやってるんだもん、トーキョウってほんと怖い(え)。
最前で延々タバコふかしまくったり演奏中に携帯いじったりしてたひとたちは一体なんのためにあそこに居たのかな…!なんてね!てゆうかああゆう輩にはもう(以下自粛
2ばんめ、さはりん。今日もウォームのひとが鍵盤・ベース・エトセトラで参加。+ドラムの男のひと、で3人編成。去年シェルターでみたときにやってた曲もやってたんだけど、同じひとがやってても、やっぱり全然イメージが違った。すごいかっこいいし完成された感じは受けたんだけど、個人的には、さはりんはシェルターとかで見るほうがいいなあ…。リズムとかの変則的な感じとか、鍵盤のピコピコとか、どっちかっていうと、爆音で、立ってゆらゆらしながら聴きたいし。なんだかまたずっとウォームのひとばっかり見てしまったな…。ピアニカとかコーラスとかすごいかわいいんだけど、鍵盤とかベースとかはちょっと変態的というか狂った感じがして、どうしてもずっと見ててしまう(ウォームのライヴでももちろんガン見)。まあ、そうやって、いつも見てるひとなのにお名前を知らなかったりするのがわたしのダメなところ…なのかもかも。でもいいよねべつに名前知らなくても音が好きなら。…なんてね!ウォームのライヴもまた見たいなー。(ってこれ、ほとんど、さはりんの感想じゃなくなってるし…)
3ばんめ、せーきさん。おおお、てことはディスチャ、トリ?せーきさんは髪の毛がだいぶ伸びていて、近所のおばさんみたくなtt…なんてね!黒半袖Tに迷彩柄のパンツ、黒いナイキのスニーカー。4本脚の椅子に座って、横にドラム用の椅子も置いてそこにiPod。足下には紫色のBOSSのなんか…スイッチングペダルみたいの?が4個くらいついてるやつがひとつ。今日はアコギで1人での演奏。2組目までは440とかみたいないわゆる「アコースティック向け」な音量だったのだけど、せーきさんからは結構音量が上がっていて、どわーってなってたり。外の通行人が立ち止まる割合も上がってた気がするし。曲は、コンピに入ってる曲が中心…だったのかな。位置のせいかiPodで鳴らしてるリズムの音がちょっとちっちゃくてペラペラに聴こえてしまったのだけど…。歌はほんとうにすごかった。ナ−トで爆音で聴いているときはあんまりわかんないんだけど、こうやってアコースティックで聴くと、ほんと、せーきさんて歌うまいな!と。声の広がりとか、ぶわーってなってて、歌い上げてる感じがかなり「シンガー」ぽかった。いや、ぽい…じゃなくて、実際シンガーなんだと思うけど。ナ−トではそういうイメージがあんまりないから、おああ…ってなってしまったという。MCではこのツアーを始めた理由とかも語っていたなあ。S「僕はずっとラウドな、爆音のバンドをやってきて、ナ−トもそうだし。あ、ナ−トは今でもやってるんですけど…。だけどね、こう、家でね、ひとりで曲作ってる時って、いつもこれ(=今弾いてるアコギ)で作ってて。このギターでもう何年も作ってきてるんですけど。部屋でひとりでこれ弾いてる時に、こう、弦の反響音とか、すっごい…響いてきたりして。そういうの、そういうちっちゃい音でもね、すごくかっこいいな…というか、俺、伝えられるんじゃないかなって、思って。そういうちっちゃいことでもね、伝わるものってあると思うし、爆音でやってることで、俺カッコイイ!なんてね、そういうことじゃないよな…って。ちっちゃいことも大事にしないといけないな…ってね、そういう気持ちで、始めました」*2。わたしの好きなバンドメンのひとは大抵どこかしら突っ込みどころがあるもんなんだけど(…え?)、せーきさんだけは、ない、な。素直にカッコイイと言える…よ。うん。たぶん。(え)
そしてトリ、ディスチャ(て略すな)。のっちさんのドラム、音出しの時点で、かなり音デカいなあって思ってたんだけど、やっぱり、演奏中も、かなりデカいな…と。いや、位置のせいかもしらんけども。えびさんは、アルバムの裏ジャケにも写ってるMORRISのアコースティックギターに、ハスカ−ドゥの「Land Speed Record」のCDケースをそのまま貼りつけていた。確かに演奏のときに手は当たんない場所*3ではあるけど、なんとなく、見た目、邪魔そう…とか思ってしまったり。1曲目はイントロ以外はドラムはほとんど鳴らないで、えびさんの歌とギターだけで。2曲目からドラムがバンバン入って、音でかいよーーー…と。でも、「いつもため息ばっかりついているので、それを集約した曲をやります、溜息電車」て言って始めた3曲目から、結局、歌にガーッともっていかれてしまった。実際鳴ってる音は(自分の位置からは)ドラムの方がでかかったんだけど、放ってるオーラが断然歌のほうが強いんだよね。当たり前っちゃあ当たり前なんだけど。だから、音のボリュームの大小じゃなくて、もう、気持ち、感情、、、そういうもので一気に景色も空気も塗り替えちゃってたから、結局はそっちに意識が持って行かれちゃう…という。ここまですべてを捉えて離さない歌って、そうそうほかに無いと思う、えびさん自身がリスペクトしているひと=ビョ−ク以外には。ほんと、なんなんだろうな、このひと。この歌。それが放つ強い強いちから、熱、そして、生。なんかね、でもね、キウイの時と比べると、つらそうっていうか血を吐くような切れそうな絞り出すような感じ…は、かなり薄らいだかなあと。今もいろいろ絞り出して吐き出してることに変わりはないとは思うのだけど、なんというか、ひとつ、乗り越えた上で…のもののような気がする。やっぱり、そういう意味でも、キウイを経てこそ…の現在、なんだろうね。本編ラストの「君は君のもの」では、最後、やはり、ステージからはみだしての絶唱へと展開。始まる前から「このステージじゃえびさん無理でしょ…」とは思ってたんだけど…案の定。ギターも床に放り投げ、いきなりのっちさんの替えスティックをバスドラから抜き取って振り回し、シンバル叩いたり天井殴ったり。椅子もチューナーもぐちゃぐちゃ。周りの人がささっと飲みもののグラスを除けたり、集中しつつも怯えつつ…で見るという、「いつもの」感じで終焉へ。のっちさんはずっと表情すら変えずに叩き続けていたけれども。シメはギターをアンプに押しつけて反響音出しつつ、つまみをぎゅーっとやってずずーんと歪ませて、最終的に全部のボリュームをゼロにして終了。ふうっと安堵のような溜息のようなものを吐き出す隙も無く、すぐにアンコールを求める拍手が沸き起こる。一旦袖に戻っていったえびさんは、ちょこっとだけ袖でお客さんと一緒になって手を叩いたりしていたけれど、またすぐにステージ上に復帰。のっちさんは、礼儀正しく頭を下げながら静かに。蛯「なんか今の、キウイロ−ルの時にオグが嫌がってた感じと似てた…。てゆうか今日オグ居るし(苦笑)」。うん、居た、ね、オグさん*4。蛯「つーかさっき(アンプのボリューム)ぜんぶゼロにしちゃったからなー…どうすりゃいいんだろこれ…」(妙にボワーンとした音が鳴る)「ああこれディレイか…」(なんとかいろいろいじって音設定完了)「よしよし…」。で、横を向いてチューニングを始めたえびさんだったけれど…。一生懸命鳴らしてるドゥーン…ていう音が明らかにノーマルチューニングに無い音だったり…。蛯「あれ?あれ?」客「ゆっくりやれー」蛯「ああはい、ありがとうございます。…つーか、4弦てD…だっけ?」。えええええええ。ギターまったく弾けないわたしでもそれくらいわかるぜえびさん!!!蛯「全部借り物ですよ、全部」。借り物でもなんでもチューニングは出来るとおもう…よ。蛯「お、よし!できたできた。…あ、あの、じゃあ、アルバムに入ってる曲を、やります。あ、今日はカポ、あります!」客「(微笑)」蛯「あの、ちょっとさっきかなり叫んじゃったんで…(声が)出るかわかんないすけど。つーかほんとに終わるつもりだったんで…。ええとじゃあ、秘密の夏!」。ちゃんと声、出てた、よ(と思う)。タイトルだけだとわかんなかったけど、これ、以前にも聴いてすごい好きだなーって思ってた曲だった。わーい。えびさんみたいなスタイルってあんまりアンコール(一旦途切れてもう1回…みたいなの)似合わないかな…って思ったけど、1曲だけぽんっと演奏しても、瞬時で空気を変えちゃえる歌のパワーのせいか、心配はまったくの杞憂で、それどころか、最後の最後でやっぱり涙が出て来てしまって…ああ。今日は、昨日のこともあったから、ちょこっとでも涙をこぼしちゃったら止めらんなくなるから絶対堪えなきゃ!って思って、かなり食いしばってがんばってたのに…。まあ、怒涛の様に溢れ出す前になんとかふんばって引っ込めたけれどね…。ああもう…えびさんの歌は毎度毎度反則だわ…。なんかすごい打ちのめされた気がする。改めて。
ひっさびさにo君来てたりして、おおお!とか思ったり、物販が大盛況で人が多くてなかなかモノを見るにも近寄れなかったり(テーシャツ買っちゃった…)、よしむらさん(湘南の海岸でギター弾いてるこうゆうおっちゃん居る居る!)(何)がお子さん連れて来てたり、ヘラさんも来てたり、えびさんもMCで「お客さんいっぱい来てくれて、友達もたくさんきてくれて、すげえうれしいです」って言ってたけど、ほんと、場内大賑わいで、うわーうわーってなった。こういうイベントに足を運ぶ人が増えるってすごいなあ…って、なんとなく*5
次のえびさんの関東ライヴは11月…かあ。他に何もかぶりませんように…(えびさんライヴに関係ないショッキングなことも起こりませんように…)(え)。
 

*1:某4人組バンドが3人になってしまった…。この4人じゃなくなったら解散って言ってたのに…(以下略

*2:いつものことながらMCはテキトーに記憶から起こしてるだけなので、言い回しとかはビミョーに違ってるかも…ですです。

*3:ボディ下部のブリッヂピンの下?の広く空いてる部分

*4:おぐさんは「予定調和でアンコールみたいのが嫌」だったらしい。てゆうかサンチェさんも来てた…ね。

*5:某たかもり王子の人気のせい…だったとは思わないことにする…よ。それっぽい方がたくさん居たなあ…とは思っ…た…けど…。うん。