ブルースイズエクスペリエンス!

isawthelight2006-03-14

 
魚2DAYSの2日目、シンジュク。
この会場に来るのはえらく久しぶりのような気がした。ぱにすまとかを見た日以来のような…。中に入るとステージにはシャッターが下りていて、場内BGMも何も流れていなかった。赤い壁にオレンジ色の照明。ざわつく空気。チケ完売の割に人はそれほど多くはなく、前方もゆるくて見やすいかんじ。今日はAちゃんも開場に間に合っていた。ついついこっち側に呼んじゃったけど、ほんとは逆側がよかったんだよね…スマン。開演5分前くらいになってようやく何か音楽が流れ出した。一瞬登場SEかと思ったけど、それからしばらくは押していて、なかなかライヴが始まらなかった。約10分遅れできゅるきゅるとシャッターが上がり、意外にもどっしりと仁王立ちをしてギターを弾いている兄弟達の脚が見えてくる。あれ、もっと暴れたりとかするんじゃないのこのひとたちって…。なんだかちょっと不意を衝かれた気分。しかしファンの人達はお構いなしにギンギンと熱く、シャッターが上がりきらないうちから前方(主に向かって左側)にドドドッと詰め掛けてきていた。はじき飛ばされる一部の魚ファンたち。はわわわわ。まあわたしは端のほうだったので、特に影響もなく、そのままの位置で。予想していたよりも静かな感じで演奏は始まり、下でファンはけっこう盛り上がっていたのだけど、なんとなくステージ上の3人はあまりかみ合っていないように見えた。…って、彼らを見るのはこれが初めてだったのだけれども。なんか、もっと音がドギャーン!みたいな、重くて熱くて激しい感じを想像していたのだが、音響のせいかわたしの位置のせいか、前半はまるでスカスカの軽い音にしか聴こえず、えええ…こんなもんなの?というガッカリにも近い感覚で、ほぼずっと傍観するような状態になっていた。周りはみんなノリノリで拳を突き上げたりしてるんだけど(一部、本気で興味無さそうな2人組はいたけど…)、なんか「なにがそんなにたのしいんですか?」とか素で言いたくなってしまいそうになるくらい、まったくわたしには何も響いてこなかった。これが「合わない」ってことなのか…。なんとなく悲しいような寂しいような気持ちになりながら(や、だって、わたしの好きなバンドの方達で彼らのファンという人は多いし、周りの音楽好きのお友達や知人もカッコイイと言っている人が大半だったし…。きっと自分も好きな類のモノなんだろうとなんとなく思っていたので…)主に左側を眺めつつ、しばしぼんやりと突っ立っていた。そしたら突然(じゃないんだけど、ぼーっとしてたわたしにはそう感じられた)まーやが「男はおらんのかー!男来い、男ー!女ばっかりやないけー!女ばっかりやったら、危なっかしくて、しゃあないわ!」と、ハンドマイクで前に出てきて怒鳴り散らし始めた。でも、わたしの周りの男子たちは、困惑するばかりで呼びかけに応じる気配もなく(魚T着てたし、たぶん魚ファンだったのでしょう…)、ちょっと空回り状態になってしまったまーやは、更に「男来ーい!アイラヴメーン!アイラブメーン!アイラヴメーン!」て繰り返したりしてて、なんか、場内の(魚ファンが大半の)雰囲気にもろに戸惑っているというか、対応に苦慮してるというか…そういう焦りのようなもの(?)が顕著に出てしまっているなあと思った。そんな彼の様子を見ているうちに「ああ、この人、思ってたよりもけっこうふつうの人(?)なんだなあ…」って(そりゃ当たり前のことかもしれないけど…)なんだか微笑ましくなってきた。けーぞーが「悪魔に魂を売った男、まーや!」って紹介してたけど、べつにこの人は悪魔じゃないじゃん…と。そしたら、なぜだか、だんだん楽しいような気がしはじめた。ほんと、変な話なんだけど。実際にそうだったのか自分の意識の問題だったのかよくわかんないけど、そのあたりから音響も良くなってきた(ような気がした)し、ギターの音圧もビシビシと感じられるようになってきていた。おお、ツインギター、けっこう良いじゃないのー!要は、こっちが変に身構えてた…ってことなのかしらん。そうゆうの、よくないね、ほんとに。でも、そのあとも、まーやは「皆さんこんにちはー。本当は怖いひとじゃないですよー」とか、たぶんふだんはあんまりこうゆうこと言わないんじゃないのかな?というような発言(もとい、怒号…笑)をしていたりして、ああなんかやっぱり今日の彼らは本調子じゃないのかな…って。前半まったくノれなかったのも、自分と「合わない」とかじゃなくて、これが彼らの本来の音じゃないからなのかな…って。初めて見るくせに何言ってんのって感じだけど、なんかね、「違うな…」って思ってた、ずっと、なぜか。実際まったくわかってないんだけどさ…。まーやは「この間、お前はブルースの何がわかってんのやー言われましたー。何をわかってんのか、と。お前に何がわかるか、と。わかんないですごめんなさいって謝ろうかなーって思ったんやけど、やめましたー。なぜなら、それは、俺がブルースを知っとるからじゃ!俺はブルースを知っとるんじゃボケがぁ!ブルースは経験じゃあ!ブルースイズエクスペリエンス!ブルースイズエクスペーリエンス!ブルースイズエクスペーリエーーーンス!」とか叫んでいた。あと「お前の住所はどこですかー!俺の住所はどこですかー!俺の住所は…にしのみやああああああ!!!」とか。うわあカッコイイ!とかキャー楽しい!とかいう感情は結局最後までほとんど起こらなかった。でも、何が…なのかはよくわからないけど、まーやというひとは好きだな…と思った。マイク食ったり投げたり、何度もダイヴしたり、絶叫したり、そうゆう部分で…ではなく。ブルースのことはよくわからないけど、たぶんきっとまーやの言うとおりなんだろうな…と思ったから。まあ、そうゆう意味ではちょっと共感(?)というか、だんだん入り込めてきてはいたのだけど。でもやっぱり、演奏は微妙だなー…という感覚が抜け切らなくて。そしたら、3人が中央に集まって何か相談(?)を始めて、一旦「わかった」みたいに解散してまた演奏を始めたんだけど、たぶん、はっきりとはわかんないけど、けーぞーが意図してたこととあとの2人の意図したことが合っていなかったらしく…。さっきまでよりさらにかみ合わない演奏が展開されて、そしたらけーぞーがドラムのほうを向いて大声で怒鳴り始めて、ドラムのひと(…りんださんだっけ?)がちょっと戸惑い気味の表情を見せた途端、けーぞーは、いきなりギターをドラムセット(てゆうかドラムのひと?)に向かって投げつけて、ぐわーってドラムセット破壊して、凄まじい形相のままステージから去っていってしまった。…え?あれ?終わり?と思ったけど、まーやとドラムはまた演奏を再開していた。…なに?なんなの?何が起こったの?てゆうかけーぞーはマジでキレてたの…?ファンの人たちの様子を見てみても状況は飲み込めなくて、これが彼らの「通常」なのかそれともハプニングなのか、それすらもよくわからなかった。まーやとドラムはそのまま2人で演奏し続けて、で、これ、結局どうなるわけ?と、おそるおそる様子を伺っていたら、ステージ袖から再びけーぞーが出てきて、さっき自分で叩きつけたギターをもう一回背負って、またわーわー掻き鳴らし始めていた。え、これ、演出…だったのか?事前にこうゆう打ち合わせをしていたの?…まさかね。ほんと、流れがまったく掴めなかった。まあとりあえず演奏は再開されて、そこからたぶん3曲くらいはやったような気がする。つーかこれが"お約束"の流れだったらとんでもないよなあ…。見るの初めてだからいまいち断言できないけど…ハプンだよね?これ。毎度こうなわけじゃないんだよね?よくわかんないけど、片方がギター投げつけてドラムセット壊して一旦引っ込んでまた出てくる…とか、そうそう何回も見たい流れじゃないと思うんだけど…。どっちかっていうといやーーーな空気でしょう、こうゆうのって。うーん。最後のほうでまーやもギターを床に叩きつけていたけど、あれはそんなにいやな感じとは思わなかった。あれは「パフォーマンスかな?」って思える範囲だった気がする。でも、けーぞーのドラムセット壊しは…あれがもし演技とか冗談だとしたらきつすぎる…ちょっと。
そんなこんなで兄弟が終わって、ファンのひとの様子から何か真意(?)を探れるかな?とか思ってみたけれど、昨日に引き続きアレでアレな魚ファンが一部にいたため、気を削がれてしまって、結局よくわからずじまい。でも(ごくわずかが目に入った印象でしかないけど)なんか、楽しかったー!みたいに笑ってたひとは少なかった気がした。あくまでこれは初見の初心者の主観でしかないのだけれども…。うーん、次、もし代官山に行くことになったら、また違ったパフォーマンス(?)が見られるといいなあ…と思った。今度は音もちゃんと聴けるようにしたいし。
SEがケイクに変わって、後攻、魚さん。また一旦シャッターが下ろされて、再び上がって、ささき君が今日も黒い上着できもちわるいダンス(?)を踊りながら登場。続いて、苦笑いのシモーカと州君が。州は今日はベージュのハーパン。靴は昨日と同じ(靴下は、無しorくるぶし丈)。シモーカ君の帽子もベージュで、靴は紫。州とシモーカ君はめずらしくニューTシャツをおそろいで着ていた(州:白、下:黒)。Aちゃんと開演前に「魚さんのことだから、セットが昨日とおんなじってことはないよね〜」なんて言っていたのだけど、予想外なことに、ほぼ昨日と変わらない内容だった。えええ…。リールードと世界は幻がなくて、タウンが最後。あとは同じで、アンコールもなし。あらま。各一曲ずつくらいは差し替えてくるかと思ってたんだけど…。でも、音響のせいなのか、昨日よりギターがぎゅんぎゅんきていて、個人的には、選曲うんぬんとかよりも、シモーカ君のギターを堪能できたことがうれしかったから、とくに大きな不満はない。だって、もぐら2日連続とか、鰯もそうだし、シティもだし。BGMにハローもやったし、月の花も聴けたし。じゅうぶん満足だよこれでも。しかしリールードはともかく、世界は幻を削られたのは悲しかった。てゆうかそろそろロウ飽きt…そこを削って世界は幻をやればよかっt…(ささき君ごめん)。ギターの音とか歌の聴こえ方とかは昨日より今日のほうが好みだったんだけど(でもなんか「耳痛くなった」てひとが多かったみたいだが…)、シモーカ君もささき君も明らかに昨日より声量が落ちていたし、特にシモーカ君はかなりつらそうだったから、だからアンコールなかったのかな…って思った。あと、昨日もちょっと思ったけど、やっぱりシモーカ君は花粉症な気がする。去年「治った!」てなんかのライヴのMCでうれしそうに報告していた記憶があるけど…たぶん治ってないんじゃないのかなあ。うーん。そういえばシモーカ君はジャズコを真横に置いて、フェンダーのアンプを自分の背後に置いていた。すっかりジャズコよりこっちがメインになってしまっている罠。まあ、個人的にはこの音は好みだからうれしいんだけど。この会場、客席の横幅に比べてステージの横幅が狭くて(ステージ上に柱みたいなのがある)、シモーカ君は演奏中に何度も背中が壁に激突していた気がする。いや、単によろけてただけかもしれないけど…。たぶん、ここですぱるたがライヴしたら、いとうさんもぶつかるだろうね。や、そんなことはまあどうでもいいけどさ…(ほんとにな)。今日はMCもあんまりなくて、覚えてるのは、州がささき君に「けんたろうはね、きんぐぶらざーずさんが大好きなんだよね」みたいな話を振って、ささき君が相変わらずオドオドしながら「うん、そう、あの、二十歳くらいの頃とか、まだ長野だったんですけど、あきらと一緒によく聴いていて。そのきんぐぶらざーずさんと対バンできるなんて、ほんと、うれしいです」と答えていたとか…そのくらいかなあ。ささき君がこの話をしている時にわざとらしくシャツを触ったりしていたので、もしや「この服装はきんぐぶらざーずさんのコスプレで…」とか言い出すのか?とか思ったりしたけど、そんなわけはなく(当たり前だ)。本編が終わって、もちろん拍手をしたけれど、ささき君がふだんより更に輪をかけたオドオド具合で一人で出て来て…。ささき君は「アンコールはやりません」という旨を話そうとしていたんだろうけど、なんつーか「あの、すみません、アンコールは、今日は、あの、今日はここで演奏してしまうと、ほんと、お見せするわけにはいかないというか、ちょっと、良くないものになってしまうので、ほんと、すみませんが、今日は、あの、アンコールは、えっと」みたいな感じで、どうしても「アンコールはやりません」の「やりません」が言えないんだよね、彼は。やさしいというか弱いというか優柔不断というか…苦笑。「あの、5月の、ロフトの、じょんとぽーるっていう企画をやるんで、そのときは、いっぱい、やりますんで、あの、それぞれ、あの、1日のほうがあきらの日で、2日のほうが僕の日で、それで、やるんで。そっちで、よろしくおねがいします」。やっぱり言えないんだね…「やりません」て。ほほえましいっちゃーほほえましいんだけど、なんかちょっとイラついちゃったよおばちゃんは。わはは。
昨日とはまたべつの部分で、こっちはこっちで楽しめたライヴだったと思う。あー5月も楽しみ。シングルもはやく聴きたいなー。
帰り道の途中ではぐれたYさんとシブヤで再合流できたのにはびっくり。ごく最近知り合ったひとと最寄駅がおなじって、ほんとにすごい確率だよ…。
 
 
SET LIST(魚)
 
摩天楼
LOW
Hello
夜も眠れない
のどかないなかのしずかなもぐら
City
アンセム

月の花
BGM
スピード
Town