素直にダイカンヤマ駅から行ったら2分かかんないで着いた。一昨日のあの1時間半はなんだったのか。開場までまだ大分時間があったが、既に会場の横の歩道に長々と行列が出来ていた。かるく見積もっても100人は居たかと。もちろん99%ぎんなんファンと思われるヤング達。既に薄着になってた子とかもいたけど、雪降ってんのに大丈夫だったのかしら…。坂を下りて角を曲がったところまで列は伸びていて、だらだらと最後尾に並ぶ。ジャストに開場して、割とスムーズに入場…と思ったら、階段がものすごい渋滞してる。わざわざ10人くらいずつ区切って中に入れていたのに何故?…あ、ロッカーに荷物入れる子達の列と重なってるのか。中に下りる人よりロッカーに並ぶ人のほうが多いライヴなんてもう久しく来てなかったから、一瞬状況が理解できなかった。揃いも揃ってテーシャツに首タオルという出で立ちのヤング達の横をすり抜け、中へ。…すんごい空いてる。数十人のヤング達が中央寄りに集まっていたが、端のほうはガラ空き。余裕でドリンクを引き換え、ビール飲みつつ、さっきもらったフライヤーの束を開く。一番上にあったのは、ビヨンズのやつだった。上半分がアー写で、下半分にツアーの日程と「シングル発売!」の文字、そして公式サイトのURL。シングルは、かつてのビヨンズのように英語のタイトルではなく、健さんらしい雰囲気の日本語のものだった。健さんらしい…というか、ファウルぽいというべきか。タイトルは「シルトの岸辺で」。ツアーは東名阪クアットロ公演で、対バンも幾つか出るようだった。続けて他のフライヤーも順番に眺めてみたのだが、どうにも全く頭に入らない。文字や情報が頭の中に流れ込んでこない。すべてのフライヤーをめくりおわって、また最初のやつを見る。ビヨンズの、アー写とツアー日程とシングル発売と単独公式サイトの情報が載った、最新のフライヤー。周りのぎんなんファンと思われる子達の会話が耳に入ってくる。「ビヨンズてざぜんの人がドラムなんでしょ?」「違うよ、ざぜんをやめた人がドラムだよ」「え、やめてないっしょ」「やめたよ」。…そんなことはどうでもいいのに。私は、バカなことに、今の今まで、ファウルはまだどこかに在るのだと思っていた。ただライヴをやっていないだけで、まだちゃんと在るものだと思っていた。現実を、ちゃんと認識出来ていなかった。この1枚のフライヤーによって、ツアーだのシングルだの公式サイトだの…そういう具体的な"現実"に、今更になって、気付かされた。ファウルはもう無い。もうどこにも居ない。健さんはビヨンズの人であって、ファウルの人ではない。厳密には「活動休止」だけど、今はもう、ファウルは無くなったのも同じ。健さんが砂上のMCで「ファウルのとしての活動は・・・」って言ったあの日から、もう一年以上が経っているのに、私は、未だにどこかで信じきれずにいた。でも、このフライヤーが、私に"現実"を突き付けてきた。何も考えられなくなった。私は、堪らずその場を離れた。
しばらくたって落ち着いてきたので、またフロアのほうに戻ってきてみると、さっきよりも人が増えていた。相変わらず大半はぎんなんファンのようだったけれど。後ろの段のほうに少しだけ年齢層の高い感じの人達も集まってきていて、ようやくビヨンズファンが来場し始めたのかな…と思った。どうせぎんなんファンは始まったら前に詰めるし…とにかく中央で見たいな…と思い、後ろのほうへ移動してみたら、ファウルやいーすたんをよく見に来ていた方と遭遇した。しばしお話などをする。そうしたら、Bさんとかも来たり、途中でKさん(仮)とかも来たり。