800×600

 
雨の降る中、初ユニット。恵比寿で降りるより東横線の方が近いみたいだったので、わざわざ東横線に乗ったのに、改札出て左に行くはずが右に行ってしまい、延々道に迷って、結局開場に間に合わなかったおばかさんは私ですうえーん。
中に入ったら、やっぱり中央にセットが組んであって、それを囲む柵を中心に人が群れていて、ふだんステージとして使われていると思われる部分にも人が居て、なんじゃこりゃ?と。とりあえずビールを飲みながら、こういう時でもないとこんな位置から見られないだろう…と思い、ステージの上段にあがってみる。ぜんぜん見えない(演奏者が)。でも、下に降りてもやっぱり見えないから、まあいいや…と思うことにする。開場に間に合わなかったことがすべての原因だ。方向音痴な自分のばか。おばか。うわーん。
というわけで、久々の(?)生ビールにくらくらと酔いながら、高台の上でライヴを見た。踊りやすさという点では最高だった。これで山嵜さんと山根さんのファンだったら、たぶん、いうこと無かったんだと思う。おふたりはすんごいよく見えたので。
うん、あのね、美濃さんと柏倉さんはぜんぜん見えなかったよ。
や、アンコール(1曲のみ)の時は少し見えたんだけども。本編がね…。ああもう完全なるポジショニングミスだよ自分。てゆうか開場に間に合(ry
ぜんぶで一時間強くらいやったのかな…。郁子ちゃんが歌いに来たりとか、そうゆうのは無かった。最初から最後まで4人でがっつりやってくれた。音もけっこうよかった。ギターアンプ(オレンジ)がぜんぜん見えなかったけど、ギターの音はちゃんと聴こえた。うん、いや、まあ、これは当たり前なんだけど…ふだんは、すきなギタリストさんの音はアンプが見える位置で聴けることが多いものだから…なんとなく…へんなかんじだった。距離は遠くはないのだけど、感覚がちょっと違う気がした。ダイレクトじゃないな…という。アンプが見えたからってほんとうにダイレクトな音を聴いているわけじゃないということももちろんわかっているけれど、つまり・・・・・感覚の問題、なのだった。むうう。
私はtoeのライヴでは大抵柏倉さんと美濃さんを見ているのだけど、今日はどちらも見えなくて、じゃあ果たして私はどちらがより見たいのであろうか?という、とてつもなくくだらないことを少々考えたりもしていたのだが。結論としては、予想外というかなんというか…。私は、どうやら、柏倉さんが見えないことよりも美濃さんが見えないことのほうがかなしいらしい。ということに気付いた次第。
柏倉さんは、もちろん、あのドラムさばきが見えたら見えたほうが楽しいけれど、でも、極端な話、音さえ聴こえれば問題ないというか…。あの音が好きなんだなあと、そう思ったのだった。けれども、美濃さんの場合、ギターの音だけでもまあいいんだけど、やっぱり、あの、ネックをふりおろす瞬間だとか、うわあああって叫ぶところだとか、そういうのも音の一部という感じになっているらしいので…(自分の中では)。だから、あれが見えると見えないではけっこう違うのだな…と。まあ、これらは、そんなうだうだと文章を綴らねばならないほど重要なことではなく、実際は非常に微々たることなのだけれど。一応今日そうゆうことを考えていた…ということで。書いてみた。ああ実にくだらない。
アンコールは、山嵜さん曰く「かしくらが(?と聞こえたのだが…)(演奏を)間違ったので」という理由で、本編終盤でも演奏したmoonをもう一度やっていた。この時は、美濃さんが絶叫するところとか、自分に向けて叩きつけるようにギターを何度もななめにふりおろすところとか、そういうのもよく見えた。人が減ったとかそういうわけでもないのに。なぜか、モーゼの十戒みたいにぱーっと視界が開けていた。というか、美濃さんだけでなく柏倉さんまで見えたのだから、ある意味奇跡といっても大袈裟ではないような気すらしてしまう。(だって、本編ではほんとうにまったく見えなかったのだから)
相も変わらず「歌モノ」が隆盛の昨今において、純然たるインストバンドtoeが、ワンマンでこれだけの人々を熱狂させるということは、なんだかとても興味深いことのように思う。velvet blancとかpathとかいう人気曲(?)ばかりでなく、最新アルバムの曲も、1曲ごとにイントロで歓声や拍手が沸き起こり、曲のクライマックス部分では腕を突き上げて叫ぶ人が何人も居たのだから。柏倉さんがうわあああ!と叫ぶと、客も同時にうおおおおお!と反応する。美濃さんと山嵜さんがギターをガンガンと叩きつけるようにしながら天井に向かって咆えると、場内の興奮がぶわっと高まる。前売が1週間経たずにソールドアウトするくらい、たくさんの人がこのライヴを心待ちにし、toeの音を求めていたということ。うまく説明できないけれど、なんだか、これはとてもすごいことのような気がした。
チューニングのために数曲ごとに演奏を切るのだけど、その度に、満面の笑みと満開の拍手が場内にあふれ、照れ笑いを浮かべた山嵜さんが「ありがとうございます!」と呟くのだった。山根さんがぐびぐびと缶ビールを飲む。柏倉さんと山嵜さんが目を合わせ、次の曲のカウントに入る。その瞬間を、500人以上の人々が、鼓動を早めながら、見つめている。美濃さんのギターが鳴り、それぞれが体を揺らす。ほんとうに、とてもとてもすばらしい空間、時間だった。この場にてこの音楽とこの空気を共有できたことが、とてもうれしかった。
良いワンマンだったなあ。外は雨だったけど、そんなの吹き飛ばすくらい楽しかった。
昨日の悲しいニュースのこともあって、午前中は何もやる気が起きなかったが、なんとかユニットに行ってみて、ほんとうに良かった。私はほかの何かを変えることはできないけれど、私は私を前に向かせることができる。ただそれだけのこと。
しかしtoeはいつのまにこんなに人気が出たのだろう?前売がソールドしたのも驚いたが、当日券の列もえらい長かったし…。思わず傍観したくなってしまうほど、ここ最近の人気上昇っぷりは凄まじいものがあるような気がする。ううむ。


今週はたぶんライヴはぜんぜん見ない予定。(9日のしろぼしは気になるけれども…うーん……)