かみさま、あなたはなんでもしっていて

 
ロキノン組の速報やら私信やらメールやらに唇を噛みつつ。
(うらやましくなんかないや!)
(私だってビール2杯飲んだもんね!)(…え?)
(てゆうかpさんなんかテキューしかしてないじゃん!)


いざクアットロ。







まず本日のゲスト、おれはこんなもんじゃない。


名前はよく聞いていて、気になっていたのだけど。
見るのは初めて。


真ん中のサックスとかメロディカとかの人が、民族衣装みたいな不思議な格好をしていた。
なんていうか、オーラのある人だなあと。
出てきた瞬間に、ぱっとその場の空気を変えるかのような。


ドラム・ベース・鍵盤・ギター・真ん中の人、の5人編成。
鍵盤とサックスで、変拍子で。
ちょっとなつめんに似た音世界だったかも。


5拍子の曲をやります、といって、ほんとに最初5拍子なんだけど、段々6/8(?)とかになっていったり。
7拍子の曲もあったり。
ちょこっと歌のようなものも入っていたけど、全体としてはインストで、こうゆうへんてこりんなの大好きだから、すんごく楽しめた。


なつめんとかぱにすまとか好きな人は、きっと好きだと思う。


ギターがストラトのサンバーストで、これまた良い音で…(略




続いていーすたん。
よしののアンプの後ろに、白い細い線でカゴみたいのが描かれた薄手の黒い紙が吊るされていた。
それには専用の照明がずっとあたっていて、そこだけ浮き上がっているかのようで。


・・・あ、あれ、原爆ドームか。


カゴのように見えたのは、真っ黒な原爆ドームの絵だった。
よしの、きっと、昨日のNEWS23も見たんだろうな…MCもその話するだろうな……


登場SEもやっぱり広島原爆投下のニュースのやつ(誰かの作品?曲?らしいけど無知でわからない…)で、それが流れている間、私も一人で黙祷、した。
(厳密にはこれじゃ黙祷って言わないかもだけど)
(投下時間のとき、咳と頭痛が酷くて横になっていたので、黙祷が出来なかったから…)


よしのもMCで前半はずっと戦争のこと(昨日のNEWS23のこととか)を話していた。


自分が具体的に何が出来るかって言われたら何も出来ないのかもしれないけど、最低限、「忘れない」でいなくてはね…。


「小学校の幼馴染のたもり君と、せいろかこくさいびょういん建設中に建設現場で出会ったにのみや君と、このバンドをやっております」とかいうエピソードを披露したと思ったら、「ですが、明日で失業します!」なんて言ってみたり。
(メジャー契約切れたのかしらん…)


「数年前、僕とにのみや君は、大量のアスベストにまみれて、働いていたわけですけども」
(客「死なないでー!」)
「うーん、あと20年くらいだな」
「20年もしたら、俺達も、なんだかわけわかんないことになって、オサラバよ」


「人間には能力の限界というのがあります」
「俺にもあります」
「そんなのは、にchなんかで言われなくてもわかってるの」
「何年か前に、どんなんかなーってチラッと見てみたらもー、ウワッ!ダメッ!ナシッ!て」
「お気に入りとかのところからもう、ナシッ!て」
「それ以降は平穏な日々を過ごしております(ニッコリ)」
「要らない情報は要らないの」




序盤でサンタマリア(にのさんスラップ!)をやってうきゃー!って思ってたら、浮き雲やるわ、徒手空拳(ライヴで聴いたの私は初)やるわ、大東京牧場(これもスラップ!)やるわで。
ロキノン行かなくてこっちで良かった!ってこの時点でもう思ってたんだけど。


シメが街はふるさとで、あれ?今日ドンキ無いのかな?とか思いつつ。


アンコール出てきて、よしのが、また戦争の話を少しして。
その流れで、さりげなく「神様、あなたは、何でも知っていて」と歌い始めたから、「…え?」と。
前回もやったし、まさか2回連続では……
でも今日8/6だし、夏だし・・・・・


話の流れとしてなんとなく繋がっていたし、にのみやさんはまだついていってなかったから、「まーたよしの、さわりだけやって、曲自体はやんないつもりでしょ?」なんて、ちょっと半信半疑な気持ちでいたのだけど。
よしのはそのまま、「神様、あなたは、何でも知っていて、心悪しき人を打ち負かすのだろう、でも、真夏の太陽は罪を溶かして」と続けてゆき。


え、やるの?このまま、やってくれるの…?


「太陽は、太陽は、罪を、溶かして・・・・・」


ふっと歌が止み。
刹那の静寂、そして、よしののギターがチャーンと鳴った。


背中から、全身から、一瞬で、景色も空気も変わった。


夏の日の午後。


あのイントロのギターの音、あれがこの曲のすべてを物語っているんだ。


さわりで歌った時点で「やるのかな?」とは思ったけれど、でも、あのイントロを聴くまでは、その世界に入り込めずにいたのに。


あの一音が鳴り響いた瞬間、ぜんぶ、もっていかれた。


目の前が白っぽくかすんで、涙がぼたぼたと落ちた。


音の雨が、容赦なく叩きつけてきた。
ぱんぱんになって、こらえることが出来なかった。


しばし放心していたら、またよしのが弾き語り風に歌い始めて。
最後はドンキホーテ


このまま始めちゃうのかな?と思ったら、絶妙なタイミングで歌を切り、絶叫。
「ワンツースリーフォー、ドンキホーテ!!!」


震えた。
ものすごい迫力だった。


本編で声が若干出てない部分があったり、歌詞を飛ばしたり、大東京牧場のシメでひっくり返ったりしてたから、今日はよしのはちょっと不調なのかな…とか思ってたのに。
実際そうだったのかもしれないけど、でも、やはり、瞬間の爆発力というか、歌の力というか、とにかくとんでもなかった。


そういうのを、いつも、前回以上に出せるっていうのは、ほんとうにすごいこと。
伝説のライヴとか、もちろんいーすたんにもあるのかもしれないけど、でも、常に、それを超えそうなくらい凄まじいライヴを見せてくれるのだから。


感無量というか呆然としながら降りていったら、予想に反してもう次のチケットが販売されていた。
「年内最後です」
「ゲストは…」


ああ、そうなんだ。
そうなんだよね。


もうわかっていたはずなのに、やっぱり、こうやって現実を突き付けられると、つらくて。


ファウルじゃないんだ…って思うと、悲しくて。


チケットは買わなかった。買えなかった。
年末恒例のあのツーマンが見られないという現実を、どうしてもまだ受け止めきれなくて。


だめだなあ、私。。。