きらい


 
50名限定ライヴ。フロアの真ん中に機材がセッティングされていて、お客さんはその周りをぐるっと取り囲むような感じ。男子率が高くて、とにかく混み混み。タバコの煙で靄がかかったようになり、天井が霞んで見えるという…(遠い目)。えええ…まさかこれで皆さんモッシュとかしないよね?そんなんだったら身の危険を感じるわ…。でも動かずにいられない音だしなあ…ううむ。入場が遅めだったこともあり最初は入口付近で。2バンドめの前にするりと移動し、その後は奥で安全に(?)見てた。
演奏はkillie→AMPERE→heaven in her arms→la quieteの順。
最初にkillieのボーカルさんが「(限定配布の)音源は最後まで居ないと貰えませんので…」「うちらそういうとこケチなんで(笑)」「1人で2枚とか持ってくの絶対やめてね!そういうことしたヤツ見つけたら俺どこまででも追っかけるから!」みたいな話。で、内田さんが「(場内が凄いことになってるので)転換の時とかはみんな協力してください」というようなことを言って、15分押しくらいでライヴ開始。
トップバッターkillie。見るの2回目とかかな…。とにかく、演る側もそうだけど、見る側にも異様に緊張を強いる空気があるよなあ…と以前見たときは思ったこのバンド。しかし今日はちょっと趣が違ったように見えた。演奏はとても緊迫感に満ち溢れていて、それは前回見たときも同じだったのだけど、だけど、演奏者の表情やらMCやらから漂う雰囲気というかオーラが、なんだか以前とは違っていたような気がする。初っ端から「ありがとう」「ありがとうございます」と何度も何度も。ライヴ終盤には、ボーカルも2人のギターもベースも(ドラムは顔は見えず)、笑顔、笑顔、笑顔。え、killieてこんなバンドだったっけ?バンド名からしてそうだけど、なんていうか常に負の方向の…主に怒りや憎しみというか…そういうオーラが滲み出ているというイメージがあったのだけど…。笑顔で演奏したりもするんだねえ…。ちょっとどころじゃなく驚いた。でもそれがすごく良いなあと思ったり。途中で内田さんじゃないほうのギターのひと(お名前わかんない…)の弦が切れてギターを交換したり、突然吉武さんとギターのひとが「コロナ!」て言ってビール注文して飲み始めたり。吉武さんが一人ずつお名前を挙げてツアーに協力してくれている人への感謝の意を述べたり。内田さんもマイクなしでいろいろ話してた。とにかくみんな「ありがとう」って。へえ…こういう面もあるんだなあ…ていうかそもそもみんな喋らないイメージがあったんだが…(soraのときは確かに内田さんは結構喋ってたけど…)。見た位置のせいかちょっと音像が安定してなくて、前回見たときに比べたらそこまでライヴ自体が「凄い」とは思わなかったのだが、それ以外の部分でいろいろ印象的なことがあったから、あーまた見たいなあと自然に思えた。ぜんぜんライヴの感想になってないのだけど、それは、見た位置というか周りの状況(個人的にいろいろものすごく落ち着かなかった…)であるとか主にそういう外的要因のせいだから仕方が無いよ…ということで。すんません。
2番目AMPERE。アメリカのバンド。ベースが女性で、髪の毛をふたつに結んでいてとてもキュート。ここからは落ち着いて見られる位置に移動できたので、思いっきりライヴを楽しむことが出来た。演奏者はぜんぜん見えなくなってしまったけれど、やはり音に集中できてこそ…だと思う、ライヴを楽しむというのは。AMPEREは、はーどこあなんだけど、ちょっと変拍子?だったりする部分もあって、それはそれでおもしろいもんなんだなあ…と。1曲が異様に短いので、非常にテンポ良くライヴが進む。killie吉武さんがボーカルに捕まって一緒に歌ってたり、こちらはheavenが招聘したバンドだけれど、すっかり皆さん仲良しのご様子。お客さんもすごい盛り上がってて、一斉に手が挙がる様なんかは見ていてかなり爽快だった。狭いし煙いし空気薄いのに、頭振りまくってずっとケラケラ笑ってたな…わたし。楽しかったー。2番目なのにここでもうアンコールがかかってて、追加で2曲。ぐるっと取り囲んだお客さんの間から口々に飛び交う「ノーノー!ワンモア!」の声。楽しいねえ、楽しいよ。この時点でもう「来て良かった」と思った。
3番めにheaven。これが本日最大のお目当て。killie予約は早々に締め切っていたみたいだが、そもそもheaven目当てだったわたしは運良く(?)heavenのほうの予約で入場出来たわけで…いろんな意味で演奏前から感謝感謝。まず最初にこのツアーに関することを訥々と話すボーカルのひと。さっきの吉武さんの話でもそうだったけど、このツアーにはほんとうにたくさんの人が関わっているんだなあ…と。ここまでの2バンドを見ていて、ライヴ自体は良いけどやっぱりこの環境では音が…というのはどうしても感じてしまっていたのだけど、heavenのときはそういうことを全く意識すらしなかったというか、なんだかもう、演奏自体もさることながら、音も素晴らしく整っていて、ありえない!凄い!とんでもない!と。この状況でここまで完成度の高い音を鳴らすとは…とにかく感服。3本のギターの美しい重なり、ツインペダル(だよね?あれ)のドラムが刻むブレの無いリズム、時折絶叫するボーカル、芯でしっかりと支えるベース、どれをとっても素晴らしいとしか言いようが無かった。1曲1曲が長いんだけどぜんぜんダレないし、ほんとうにすっかり世界に浸りきってしまったなあ。あの感動はちょっとことばでは説明できないや…。当然ここでも客から盛大にアンコールがかかっていて、「すごく短い曲で…」といって1曲だけやったんだけど、あれって(AMPEREの?)カバーなのかしら?演奏後に(AMPEREのメンバー?に向かって)「この曲は難しいですよ!」て言ってたけど…。終わってから、K(仮)さんとともに深い溜息。「いやあ…よかったねえ……」でしばし言葉を失う我ら。至福。
トリはla quiete。イタリアのバンド。でもMCは英語で。転換のときちょっとベースアンプがトラブッていたみたいだけど、本番ではちゃんと音が出ていたので良かった。こちらは正統派?のはーどこあという感じの楽曲。終始テンションの高い演奏で、ボーカル(実はla quieteのメンバーじゃない(?)らしい…)がお客さんと肩組んで歌ったりとかしてた。MCは半分くらいしか言ってることがわかんなかったけど、気付けば勝手に顔が笑っちゃってた。よくわかんないんだけど、とにかく楽しくてしょーがなかった。またみんなで一斉に手を挙げたり、頭の上で手拍子したり、叫んだり。吉武さんが再び捕まって歌わされたりもしていたなあ。ハンディカム持って映像撮ってたひと(ツアースタッフ?)が、アンコールをみんなが「ワンモア!」「ツーモア!」くらいに言ってたのを、おもっきり「ファイヴモア!」「シックスモア!」てハードル上げまくってて、メンバーに苦笑されてた。曲が短いとはいえ6曲は無理だろうさすがに…無茶言うなあ。実際はアンコールは2曲だったかな。みんな笑顔でシメ。あーーー大満足。
長い長いイベントが終わったのは22時過ぎ。もっと遅くなってるかと思ったけど…意外に早かった…のかな?そそくさとトイレに行ってドリンク交換して一息、一度外に出てまた中に戻る。killieの誰なのかはよく見えなかったけど、物販みんな見てってください!みたいなことを言った後にぼそっと「…ほんとヤフオクとかまじでやめてね」とか言ってて、場内の空気が微妙になごんで(?)いた。ほんとうは今日の物販でheavenのアルバムを買おう!と思っていたのだけど、人の波が一向に引く様子が無くて、こりゃあERAで買ったほうが良いのかな…と。K(仮)さんとともに23時前に会場を後にする。帰りがけに受付で本日限定配布の音源を貰ったのだけど、ボール紙の封筒(?)に手刷りで2色がプリントされていて、表の「嫌」の文字と裏の蝶の絵はわたしとK(仮)さんでは違う色だったりとかして、うわータダなのにすごいこってるなあ!と感動。まさかその時は中身がアナログレコードだなんて思いもしなかったけれどね…(うちには今アナログを聴くための機械が無い…)CDRだった…騙されたーーー。
日付が変わってすこし過ぎた頃に帰宅。